ストレッチとは?
日常生活も含め、運動などでカラダを動かす為に行っている事が筋収縮です
簡単に言ってしまえばストレッチは、その真逆の筋肉を伸ばす事です
なぜ必要? 目的は?
まず、基本的な構造として、骨と骨を繋ぎ合わせるのが関節です
人体のほとんどの筋肉(骨格筋)がこの関節を跨いで骨に付着します ※一部例外もあり
そして関節を曲げる為に筋肉は収縮して関節している骨同士を近付ける役割をします
例えば歩く時、まず、脳からの指令で末梢神経を伝い、前へ進む為に足を出すように電気刺激を送ります
筋肉はその信号を受け取り、足を前へ出す(持ち上げる)為の筋肉が動き出します(収縮)
物を掴む時は、同じく脳からの電気刺激により腕の筋肉が収縮し動き、物を掴みます
※ここでは日常生活動作における骨格筋について取り上げています
これらは一例ですが、日常生活や運動をする際のすべての動きはこうして起こります
筋肉を収縮させ、カラダを動かす事であらゆる動作が成り立っているのです
筋肉を縮めて関節を動かしている、筋肉を縮めて日常生活動作ができているのです
例えば脳からの指令で「力を抜いてリラックスしよう」と念じる事ができても、筋肉が自然に伸びたり、または伸び切る状態にはなりません
念じると、電気刺激が行き渡っていない状態になるだけです
特に日頃から筋肉を過度に収縮させている過緊張状態の場合は「力を抜く」事すらできない場合が多いです
カラダの構造上、拮抗筋が存在するので、ある部位で筋収縮が起こる際は拮抗している筋肉(相反する動作をする筋)は伸ばされている事になります
しかしこの場合の「伸ばされている」状態でも、筋肉が完全に伸び切っているという状態ではありません
その筋肉にとって最良のゼロポジションまでは戻されていないという事なのです
筋肉がしっかりと本来の力を出しきるように縮む為には、一度完全に伸ばし切り、ゼロポジション、いわゆるニュートラルに戻してあげる事が必要です
D(ドライブ)からN(ニュートラル)を飛ばしてバックする事はできません
そもそもそういう構造ではありませんし、そうだとしたらタイヤなど各部へ大きな負担が掛かってしまったり、ギアボックスが壊れてしまうかもしれません
一旦ニュートラルへ戻しそこから次のギアへチェンジされるのが最も自然な流れです
カラダ(筋肉)の場合、それをスムーズに行えるようにするのがストレッチです
しっかりニュートラルに戻してあげる事で、次の動作がスムーズに行えるのです
ちなみに、筋トレ、筋力トレーニングが最近は流行っていますが、トレーニングもとても重要です
トレーニングをする事でこうして体を動かす力が強くなったり持続力が向上したりしますので、長く健康でカラダを動かしていこうと思うとトレーニングも重要です
このトレーニングで行う事は先ほどの話の筋肉の収縮力を強くする事に当てはまります
カラダの動くメカニズムとしては、筋肉が収縮する事により関節を曲げたり伸ばしたりします
ストレッチではそうした筋肉を伸ばす事が目的なので、細かくいえば、関節の動く方向の数だけあると思って頂いても良いと思います
また、学術的には動的ストレッチと静的ストレッチがあります
・動的ストレッチ ー 軽く反動をつけて行う(ラジオ体操など)
・静的ストレッチ ー ゆっくり伸ばしてそのまま静止する
カラダの状態によって使い分けがありますが、専門性のある施術では静的ストレッチの方が柔軟性を高めるのに適している為、よく行われます
縮こまった筋肉を伸ばす事でそこへ血液が流れ込みますので、まず血流が良くなります
何度か繰り返すうちに、収縮し凝り固まった筋肉は伸びる事を覚え、柔軟になっていきます
筋肉が柔軟になると、伸ばした筋肉が作用している関節の可動域が広くなります
筋肉が柔軟になれば過度な緊張が緩和されるので心身のリラックス効果もあります
ここで大切なのは筋肉を伸ばしゼロポジションへ戻し「ここまで伸びるんだ」という事をカラダに覚えさせる事です
一度伸びるとそれが心地よいのでカラダは覚えていくはずです
脳までフィードバックしなくても、カラダが覚えるのです
子供の頃に何度も転んで乗れるようになると、大人になっても乗れますね
脳で覚えなくてもハンドルを握り、ペダルを漕ぎながらバランスを取る事をカラダが記憶できるのです
筋肉が伸ばされ気持ち良く楽になれば、自然に楽な方へと流されていきます
ただ残念な事に、これまでに長い間、筋肉を硬くしてきた悪い癖がある場合、一度伸ばされた筋肉はまたしばらくして硬くなってしまいます
繰り返し柔軟な状態へ戻してあげる事で、良い癖をカラダに覚えさせる事が重要です。
ヨガやピラティスのように繰り返し行う事が理想的です
「ストレッチしましょう」と言われるけど、どこをどうやればいいの?
どれくらいの時間やればいいの?
それぞれのお悩みによって伸ばす場所や伸ばし方も違えば、どの程度伸ばすのかも違ってきます
一人ひとりに合わせたストレッチを行わなければ、闇雲に行っても怪我に繋がりかねません
そして、これは経験してみると分かるのですが、自分で行うストレッチと、人にやってもらうストレッチは全く異なります
セルフストレッチもやるべきですが、一度ストレッチの専門家であるプロに伸ばしてもらうと良いでしょう
どこをどれほどの力加減でどれくらいの時間を掛けて伸ばせば良いかも分かってくる事でしょう
カラダのどこかに不調を感じる場合、コリを感じる場合、スポーツをしている人などは特に毎日やるべきです
使った筋肉は伸ばして戻してあげる事で、またスムーズな動きをする事ができるようになります
運動だけをしていると、筋肉は強くなる事によって硬くなっていきます
一流のスポーツ選手は、皆しなやかな鞭の様にしなる動きをしています
パフォーマンスを上げるには筋力トレーニングで強くする事も必要ですが、大きく強いだけの筋肉ではしなやかな動きはできません
他、一般的には「夜の寝つきが良くなった」や「次の日がとても楽」「むくみが減った」「つらなくなった」などの多くの感想も頂きました
ほとんどの人が、ストレッチを継続する事できっと今までとは違うメリットを感じる事ができるようになるでしょう
⚫︎運動をする → 筋肉に負荷が掛かる → 強くなる / 大きくなる
程よい運動や多少負荷の高い運動後は心地よいと感じます
その後、筋疲労は徐々に回復するが、筋繊維や筋膜、関節に硬さが残る事があります
⚫︎筋肉を伸ばす(ストレッチ) → 柔軟性が高まる → 関節可動域が広くなる→しなやかな動きができる
無駄に運動をしなくても、血流良く、動ける状態を維持できれば筋肉の健康は保たれます
全く運動をせずにストレッチだけでは物足りないですが、無理に運動をしなくても日常生活(家事など)でカラダを動かしていれば十分だといえます
適度な運動と同等のストレッチが筋肉の健康としてバランス良い状態といえる事が分かります
例えば可動域MAXが「10」だとして、硬い状態で「6」までしか動きが出せないのに良いパフォーマンスを出そうとしてがむしゃらに頑張って「6」まで動かして運動をしていたら、目一杯なので力みが出てすぐに疲弊するし怪我の元になります
しかし「10」までいかなくても「7」か「8」くらいの可動域がある中で「6」の動きで運動すれば、余裕が生まれる事から最高のパフォーマンスを発揮できるし怪我をし難いでしょう
同じ「6」の範囲での運動でもその意味合いは全く違ってきます
瞬間的になら「7」や「8」までだって動きを出せる余力を残している事にもなるのです